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10/29(日)に開催された、思いやるプロジェクトに俳優の大森南朋さん、須藤蓮さん、クリエイティブディレクターの庄司信也さんが登壇!

岐阜イベント2日目は、貝印AUGERの協賛でロイヤル劇場にて、思いやるプロジェクト「須藤蓮さんセレクト35ミリフィルム上映&トークショー」が開催されました。セレクトした映画『トレインスポッティング』や、当時の映画とファッション、音楽について、俳優の大森南朋さん、須藤蓮さん、クリエイティブディレクターの庄司信也さんが熱く語りました。

『トレインスポッティング』STORY

舞台はスコットランドのエディンバラ。ヘロイン中毒の仲間たちとさえない日常を送っていたレントンは、何度も薬物を断つ決意をするものの、毎度その意志は打ち砕かれる。でもそれではいけないと、レントンは薬物依存を乗り越えロンドンで就職するが―。

庄司さん みなさん、こんにちは。日曜日の昼下がりとは思えないような内容でどうでした?

大森さん 初めての人は衝撃ですよね。

須藤さん 初めて今日、『トレインスポッティング』観たよって人はどれぐらいいますか?

大森さん なんか須藤がすみません!(笑)

須藤さん 大好きな映画なんですけど、劇場でもちろん観たことが僕はなかったので、さっき一番後ろで観ていて、選定やらかしたかもって思うぐらいの映画でしたね。いかがですか?

庄司さん 須藤さんは96年生まれということで、映画と一緒ですね。27年前の映画。当時は90年代ですね。私は、山形県出身なんですけど、やっぱこれがすごくヤングには刺さるというか、これを観てればお洒落なんだろうとか、これを抑えてればいけてんじゃないかみたいなフィーリングで鼻たらして観ていました。

大森さん ちょっと何者かわからない人もいると思うのでご紹介します。庄司信也くんと言って音楽のプロデュースをしたり、色々企画をやったりする方で、僕のカルチャーの先生のような人です。

庄司さん よろしくお願いします。

須藤さん 僕、さっき観ていて、この映画が流行ったってこと自体がちょっと信じられないなと思って。どんな気分で当時公開を迎えられたのかをすごく聞きたいなって思っていました。南朋さんは、当時おいくつぐらいでした?

大森さん 25、26ぐらいかな。

庄司さん ちょっと噂だと斜に構えて、しばらく観なかったみたいにおっしゃるんですけど。

大森さん そうそう、カルチャー誌『CUT』とか『SWITCH』とかで、当時そういう雑誌しか情報源がなくて、とんでもないお洒落な映画がイギリスあたりからやってきて、なんだよと思って、当時は劇場で観てないんですよ。だいぶ経ってから観たんじゃないかな。だから俺、語れるほどの能力を持ってないんだよ。でも、(配給元の)アスミック・エースとパルコの文字が出ると感動するね。

庄司さん このタッチでいくと、『バッファロー’66』もこのタッチですよね。

大森さん イギリス方面から来るやつだと、ちょっと前に『シド・アンド・ナンシー』もある。俺が高校生ぐらいの時に、一緒に観に行ってくれる友達がいなくて一人でパルコ行ったら、『シド・アンド・ナンシー』ってパンクスの映画だから、僕以外の人たちみんな本当のパンクみたいな人がいて、すごく怖くて走って帰った(笑)高校生の思い出です。

庄司さん 僕は18歳でしたね。初めて今日ご覧になったお客様と同じような気持ちだったと思うんですけど、かっこいいスタイリッシュなお洒落な作り物が多かったんで、その気持ちで行ったら、内容がああいうことだったんで、結構ショックでしたね。

須藤さん トイレがいきなりね、びっくりしましたよね。

庄司さん さっき声が上がってましたよ!

須藤さん お客さんで帰った人2人ぐらいいましたよ!あのシーンで!?

庄司さん ダニー・ボイルさん、結構えぐい演出が多いんでね。痛みが伴っているというか。赤ちゃんのシーンとかね。

大森さん みなさん、観たばっかりだからもう衝撃的すぎじゃない?あんな赤ちゃん。

庄司さん これだから、当時お洒落な映画だとか言われても、え?って感じですよね。

須藤さん 当時はやっぱり、その満席の劇場みたいな感じで日本でも流行っていたんですか?

庄司さん 僕は田舎の単館のフォーラムっていう映画館で観たんですけど、やっぱいましたね。ただ、客層は若かったんですよ、僕らみたいな。薬もやったことないんでね、イマイチわかってないですよね(笑)まあ飛んでるんだなっていうのはわかるんですけど。

大森さん 日常的すぎるもんね。でも、あの頃のスコットランドは、あんな感じだったんでしょう。

庄司さん その時のイギリスが元気がなかったと言いますか、自信がなかった時代なんですよ。サッチャー政権で、暗い疎遠で、先行きが見えない若者たちが短絡的に薬で非日常へ行くみたいな。それが本当に日常的にあって、日本だとピンとこないと思うんですけど、海外でもそれが普通で、『さらば青春の光』はそうですよね。

須藤さん あの山に向かって唐突ですよね。電車のステーションに絶望している4人がバーンって降りて、山に向かって叫んで引き返していくみたいな。昨日、解説で読んだだけなんですけど、あのシーンは、その当時スコットランドの大自然万歳みたいな映画がある中で、それに対してそんなものが現実じゃないと映画を通じて、思った以上にまっすぐ訴えかけるシーンだなと思って。

庄司さん 作り物だとか、ファッションとかスタイリングもそうですけど、それでエッジに見せているだけであって、結構リアルな部分とか、節々にそういうものは感じますね。

大森さん お洒落はお洒落だよね。アングルとかそうですね。撮り方とかまた仕掛けもいいね。

須藤さん 印象に残っているカットとかお2人はありますか?

大森さん やっぱりトイレも(笑)最初の方で、ユアン・マクレガーの変な角度で起き上がるあれさ、身体能力すごいなと思って。

庄司さん だって本人もオビ=ワンになるなんて思わないでしょうから。

大森さん この時いくつなんだろうね。俺、あんま変わんないぐらいだね。

庄司さん 南朋さんぐらいじゃないですかね。

大森さん 売れてるね!(笑)

庄司さん だって今やケノービですよ!

須藤さん それにしてもカット割がすごいですよね。ジュース吸っているところとか。何の意味もないんだと思うんですけど。

大森さん 90年代、これに影響された日本映画らしきものも結構いっぱいあったよ。

庄司さん 須藤さんは27歳ということで、これはどう行き着いたんです?

須藤さん 名前は知っていました。トレスポってすごい話は聞いていて。U-NEXTとかNetflixとかでも知っているけど、観たことない映画を観るみたいな流れの中で観て、僕も映画を撮ったりしているんですけど、撮り方とか、だいぶ攻め切っているなと思って、アングルとかもずっとこう足元を追っかけているとか。

大森さん ガイ・リッチー監督も結構似ているよね。

庄司さん 音楽の使い方とかそうですよね。疾走感みたいなのね、そのリズムというか。

大森さん 同じ学校に行ってたのかな?(笑)

庄司さん 先輩後輩みたいな。

大森さん でもなんかありそうだね。

庄司さん あの当時のイギリス映画って、そういうリズミカルなタッチが多いですよね。ガイ・リッチー監督の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』とか。

大森さん こっちもすごく好きでしたね。えぐい表現はあんまりなくて、すごい疾走感があると言いますか。クライムサスペンス、是非ご覧ください。

須藤さん あんまりこういうタッチの映画って出てきてないですかね?

庄司さん クライムサスペンスはあると思うんですけど、こういうポップカルチャーの一部みたいにはあんまりないかもしれないですね。

須藤さん 普通に今日一本映画を観ながら思ったのが、この映画の脚本を受け取ったら大丈夫?ってなっちゃいそうな。世の中的にできない表現が多いかなとちょっと思いましたね。

大森さん みんな本当にちょっと練習でヘロイン打つんですか?先生(笑)

庄司さん あれはでも2、3人いきそうですよね。暴力的な人は薬嫌いだって言っていましたけど、実際やられるんじゃないですか。『トレインスポッティング』は、Tシャツとかも出ていて、観ていない人もそれ着ちゃうぐらいの影響力は確かありましたね。

90年代はピチピチのTシャツが流行っていた!?

須藤さん 当時、『トレインスポッティング』のファッションを真似ている人とかもいたんですか?

大森さん みんなこんなピチピチのTシャツ着てさ、そういう時期ありましたね。僕ら全員古着屋に関わっていて、その頃は、古着の店員をやっていたので、ちっちゃいTシャツいっぱい売ってさ、売れてたよ。

庄司さん それはもちろん、男性が買ってますよね?

大森さん そうそう、フェミ男ね。信じられないと思うけど、細い男の人がピチピチしているのが流行ってた。

庄司さん 中性化みたいな感じだったんで、今の男性の肌がどうとか、毛抜いちゃうみたいな、続いている部分はあるのかな。

須藤さん スキニーとか流行ってましたもんね。

大森さん スキニーはどうだろう?その後かな。

庄司さん 割とでもダボダボだった気もするかな。

大森さん パンツダボダボ、上ぴちぴちの腰履きみたいな。

須藤さん 今は、ファッションにトレンドみたいなの感じないですもんね。逆にそういう流行があるのは面白いなって。『トレインスポッティング』のようなみんなが観た映画みたいなのがあんまりないんで。

庄司さん 共通の幻想がないってことですね。でも共通幻想を見たっていうのは90年代が最後かも

大森さん 情報がすごいからね。それでさ、分散しちゃう。だから映画館も人が来なくなっちゃうんじゃない。これ、先生どうですか?

庄司さん いや、そうだと思います。本当にそう思います。自己完結しやすくなっちゃう。我々は全く情報がない中で、音楽なり、やってきました。

須藤さん 『トレインスポッティング』の情報は、どうやって取りに行くんですか?

大森さん 本です!

庄司さん メディア操作されまくってました。

大森さん あの頃のほうがされやすいよね。

庄司さん 純粋なので、されまくってました。『ロッキング・オン』が言うことは全部そうだと思います。

大森さん それで好きになったりしたままのやつもいっぱいある。でも本で全部そういう音楽とか映画も学んでた。本屋で、全力で立ち読みするとか。

庄司さん 切り抜いて壁に貼ったりとか。

大森さん あ~、そういうのかっこいい!

須藤さん 僕の世代が雑誌をそもそも読まない世代なんですよね。だから情報があんまり人とかぶんないですよね、流行りとか。『バッファロー’66』や『トレインスポッティング』とか、後追いで観てウォン・カーウァイ監督の映画とか、その当時の時代が持っている熱みたいなのって、今日もちょっと画面観てて思ったんですけど、特にフィルムだったからか、当時のなんか熱狂みたいなのが、スクリーンからはみ出してきてる気がして、それにすごい今日はしびれましたね。

大森さん フィルムは、やっぱり良かったね。生々しいというか、デジタルで観ることに慣れているせいか、うん、すごいいい距離だった。

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映画『ABYSS アビス』が絶賛公開中!岐阜のトークイベントに大森南朋さん、須藤蓮さん、庄司信也さんが登壇!

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KELLY Editors

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