【絶賛公開中!】映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』名古屋での舞台挨拶に主演・坂口健太郎さん、伊藤ちひろ監督が登壇!
#映画

2023.4.18tue

【絶賛公開中!】映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』名古屋での舞台挨拶に主演・坂口健太郎さん、伊藤ちひろ監督が登壇!

4月1日(土)、名古屋駅にあるミッドランドスクエア シネマにて映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』の舞台挨拶付き先行上映会が実施され、主演の坂口健太郎さん、伊藤ちひろ監督が登壇しました。

企画・プロデュースを行定勲さんが務め、監督・脚本を伊藤ちひろさんが担当して制作された、不思議な能力で人々を癒す青年が自分自身の過去と向き合う物語。主演には、伊藤ちひろさんがあて書きしたという坂口健太郎さん。伊藤監督の感性が光る詩的な映像世界の主人公・未山を柔らかな雰囲気で演じます。キャストには、未山の前から姿を消していた元恋人・莉子に齋藤飛鳥さん。未山の恋人・詩織に市川実日子さんと、個性的な俳優陣が脇を固めます。オリジナル脚本で描かれたリアルとファンタジーが混在する「マジックリアリズム」の世界観は必見!舞台挨拶では、本作に込められた思いや撮影時の裏話を語っていただきました。その様子をレポートします。

STORY

目の前に存在しない“誰かの想い”が見える青年・未山(坂口)。身体の不調に悩む人や、トラウマを抱えた人をその不思議な力で癒やし、恋人で看護師の詩織(市川)とその娘・美々(磯村)と静かに暮らしていた。ある日、“隣”に謎の男(浅香)が見え始めた未山は、これまで体感してきたものとは異質なその想いをたどり、遠く離れた東京に行きつく。ミュージシャンとして活躍していたその男は、未山に対して抱えていた感情を明かし、更には元恋人・莉子(齋藤)との間に起きた“ある事件”の顛末を語る。未山は彼を介し、その事件以来会うことがなかった莉子と再会。自らが“置き去りにしてきた過去”と向き合うことに。やがて明かされていく未山の秘密。彼は一体どこから来た何者なのか―。

名古屋に着いてから食べた、天むすがおいしかった

――名古屋にお越しいただきありがとうございます。一言ご挨拶をお願いいたします。

坂口さん みなさん、こんにちは。未山役を演じさせていただきました坂口健太郎です。さっき名古屋駅に着いたんですけど、今日はとっても天気が良くて、こういう気持ちいい時にこういう作品を選んで先行上映会にいらしてくれて、本当にありがたいなと思います。不思議な感覚を持つ映画で不思議な映画体験だったかなと思うんですけど、本日は本作の魅力を少しでも伝えられるような時間にしたいなと思います。よろしくお願い致します。

伊藤監督 今日は本当に坂口くんが言っていたように天気の良い日に映画館に入って、映画を観てくださり、本当にありがとうございます。短い時間ではありますが、上映後とのことで映画の内容についても少し話せたらいいなと思います。よろしくお願い致します。

――名古屋はお久しぶりでしょうか?

坂口さん 写真集のイベントでお邪魔したりとか、今年もプライベートで友人に会いにきたりしていました。監督はどうですか?

伊藤監督 名古屋はついこの間、1つ前の作品の時にお邪魔させていただきました。

――名古屋の思い出も教えてください。

坂口さん 鶏?味噌?今日は、さっき着いて天むすをいただきました。おいしかったです。

伊藤監督 名古屋めし、おいしいです。

坂口さん 伊藤監督は、何が好きですか?

伊藤監督 天むすも好きだし、矢場とんもおいしかったし、中華もおいしいし、餃子も食べたいし(笑)

『サイド バイ サイド 隣にいる人』は、あて書きした坂口健太郎さんから生まれた映画

――監督は脚本・小説家でもいらっしゃいますが、伊藤監督の初監督作品が実は本作なんですよね?

伊藤監督 元々『サイドバイサイド 隣にいる人』が私にとっての映画初監督になるはずだったんですが、どうしてもきれいな新緑で撮影をしたくて、時期やコロナ禍の影響もあり、撮影が少ずれてしまって2作品目となりました。

――伊藤監督の初監督作品にお声をかけられて、坂口さんは最初どんなお気持ちだったのでしょうか?

坂口さん 今回は、最初に台本をいただいて初めてのストーリーを知るわけではなく、前段階で監督が坂口くんで映画を撮ろうと思っているんだよねと、まだ題名も決まってないし、未山の存在もまだ生まれてない時から監督とお話をする時間がありました。未山像やストーリーについても監督と話す時間が時々あって、少しだけなんとなく親近感がありました。いざ台本をもらった時には、あえて言語化をしないで、お客さんに委ねるような部分を多く作ろうと意識していました。本作は、目に見えない想いの強さが出てくる作品ですが、ホラーとして撮ってもいないし、当たり前のように未山にとってはそこにいる、そういう捉え方、それがすごく面白いなと最初に台本をいただいた時に思いました。

――監督は坂口さんにあて書きされたとのことで、お話をしていくうちに未山という人物像ができあがっていったのでしょうか?

伊藤監督 あて書きどころか、坂口健太郎さんから生まれた映画(笑)
坂口さん 僕は未山と全然違いますからね(笑)

伊藤監督 似ている部分はあると思います。特殊能力を持っているところとか(笑)

坂口さん あります、あります!やっぱり僕、すぐわかるんです(笑)

――え!それは、どんな特殊能力ですか?

坂口さん えっと…(笑)!監督があて書きで書いていただいた未山というキャラクターを読んだ時に、監督はこういうふうに僕のことを見える瞬間があるんだなとか、こういう一部分が僕の中にニュアンスとして持っているんだとか、発見でもありましたし、最初はそういうところにびっくりしましたね。

現場に入って共演者さんとお芝居をしてみて、実際の場所に囲まれた時に頭の中で想像していたものとは少しずつ変わってきますし、僕もこういう未山を最初から作ろうと思っていたわけではなく、現場で生まれたことが多かったかもしれないですね。

『ナラタージュ』の小野の役を演じてもらったのがきっかけ

―――監督はあまりお話をするお時間がなかったかなと思いますが、短いお時間の中で坂口さんを観察されていたのでしょうか?

伊藤監督 そうですね(笑)

坂口さん 年末は行定監督とご一緒したり、タイミングが合えばお会いしたりしていましたよね。

伊藤監督 そうですね。坂口さんとは『ナラタージュ』からなので年月的には長いですね。

―――行定監督の『ナラタージュ』の時に脚本を書かれたんですよね。その時に坂口さんに出会って撮りたいと思ったのでしょうか?

伊藤監督 『ナラタージュ』の小野の役を誰に演じでもらいたいかなって周りの人に聞かれて、坂口健太郎さんにやってもらいたいと、その時は私が言いましたね。
坂口さん それね、何でだったんでしょうか?だって僕は別にそんな…ねぇ?(笑)。『ナラタージュ』を拝見された方はいらっしゃいますか?小野くんね、僕は結構好きなんですよ。

生と死の狭間にいるような感覚で寝てくださいという演出

――未山は存在しているのか、存在していないのか難しい役どころですよね?

坂口さん 本当に難しかったです。存在をしてくれという演出を監督から言われた時があって、僕は存在しているよ?と思いつつも、ちゃんとそこに存在するということの大切さを投げかけられ、やはりそこはすごく頭を使いました。

寝ているシーンで生と死の狭間にいるような感覚で寝てくださいって監督がおっしゃって、僕はやってみます!って言って‥‥ただ目を瞑っただけだったかもしれないけど(笑)、難しいなと思いました。

伊藤監督 未山ってどこかずっと生と死の狭間をゆらゆらとしている存在なんですよね。寝ている時、もしかしたら目覚めないのかもしれないと思うような寝顔をしていてほしかったんですよ。でも、できていましたよね?みなさん、観てて不安になっちゃいましたよね。

坂口さん 僕はその時、どういうふうに寝たらいいのかなっと思いながら目を瞑っていたと思います(笑)。監督は結構長回しですよね?

伊藤監督 歩くシーンもだいぶいっぱい歩きましたよね。

坂口さん だいぶ歩きましたね。カットがかかってスタート位置に戻るまでめちゃくちゃ時間がかかっていました(笑)

伊藤監督 どこまで歩くんだと、不安になっていましたね(笑)

坂口さん そうそう、どこまで歩くんだろうって。

坂口さんがもし見える人だったとしても、見えないものをそのまま受け入れる人

――想いが見えている時の未山の演出について、教えてください。

坂口さん やっぱり難しいですよ。最初に監督に草鹿の想いが見えている時って未山はどうなんだろうか、一体どこまで反応したり、どこまでその存在自体に僕がリアクションをとりましょうかって話をしていて、結局未山はどっちでもいい人なんだよねって、いてもいいし、いなくてもいいし。そこでわっというような芝居をするわけでもなく、ただただそこにいるのを受け入れてしまうような感じでした。僕ももしそういう存在がいたら、どっちでもいいんですよね。

伊藤監督 絶対そうでしょ(笑)。そうだと思います。

坂口さん いるならいるでいいし、いないならどっちでもいいかなと。もし見えても、そのまま受け入れちゃいますね。
――美々ちゃんと坂口さんのシーンがかわいくて、ナチュラルでした。

伊藤監督 彼女も芝居はしているんですけど、芝居し過ぎないように現場でみんなが見守っていました。

坂口さん 監督もあえて当日にセリフを渡したりとかしていましたよね。

伊藤監督 アメリが熱心な子なので、すごく練習しちゃうから。

坂口さん そうそう。練習しちゃいますよね。みんなで遊んでいる時に監督が静かにカメラを回し始めたりとか、僕も彼女のテンションを上げたりする時は未山というよりは坂口健太郎でいるので、カメラが回り始めたと思ったら未山になったり、そういう工夫はあったかもしれないですね。

――未山と美々が本当に自然で、やっぱりかわいいですよね。

坂口さん かわいいです、とっても!あと、吸収もすごいし、ちょっとしたことが彼女にも伝わる感受性のすごく強い子でした。監督や実日子さんだったりと、現場で伸び伸びと彼女にお芝居をさせていましたね。

伊藤監督 みんなの子どもになっていましたね。未山くんと美々の時間が本当にかわいく撮れて良かったです。私自身も癒されていました。


ロケーションも1つの主役になってくれたぐらい、長野の気持ち良い自然も見どころ
――新緑の季節が素敵で気持ち良さそうでした。撮影はどうでしたか?

坂口さん 気持ち良かったです。本当に気持ち良かった(笑)。空気がやっぱり良かったですよね。今回はもちろん、お芝居も見どころなんですけど、ロケーションも本当に素晴らしかったのでロケーション自体も1つの主役になってくれたような感覚がありました。ロケ場所の決め手は何ですか?

伊藤監督 長野で撮影しましたが、やっぱりあの場所の景色ってなんか神秘的ですごく自然の力と共存している雰囲気がある場所だったので、そこで撮りたいなと思いました。すごく良い所がいっぱいあって、見たことないような景色がたくさん広がっていたんですけど、湖のシーンは大正池で撮影しました。雰囲気がすごかったです。でも寒かったんですよね。

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WRITER

Mai Shimomura

Mai Shimomura

岐阜県出身。スタジオやブライダルでの 撮影経験を6年経て、編集者へ転身。 カメラと映画が好きなミーハー女子。 素敵な出会いを写真に記録しながら、 みんなの心に届くモノを発信したい。

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