ミッドランドスクエアシネマ15周年特別企画『ちょっと思い出しただけ』舞台挨拶付き特別試写会に、松居大悟監督が登壇!

 
2月3日(木)にミッドランドスクエアシネマで行われた、映画『ちょっと思い出しただけ』の舞台挨拶付き特別試写会に松居大悟監督が登壇し、見どころを語っていただきました。

以前、ミッドランドスクエアシネマに来た時が池松くんと一緒に、映画『君が君で君だ』の作品で舞台挨拶をした時とのことで、池松くんを後ろに感じながら上映前のお話ができたらと話してくださいました。

――本日は1日名古屋にいらしたとのことで、名古屋は堪能されましたか?

松居監督  さっきも味仙の台湾ラーメンを食べました。汗が結構出ますね(笑)。ひつまぶしもお昼にいただきました。あれって4分割にして、最初はそのまま食べて、薬味で食べて、ダシで食べて、最後はお好みでってことでしたが、3回目にダシを入れたから、最後もダシになっちゃって、最初に戻れなかったです(笑)。

――それは、ダシの分量の調整が必要でしたね。慣れてくるとわかってきます。次回、名古屋に来られる際にはダシの分量を調整してみてください。でも、1日で結構名古屋めしを堪能されていますね。

松居監督  運ぶのが大変なぴよりんも食べました。わりとお腹が名古屋です(笑)。

――ぴよりんも!名古屋めしをいっぱい食べたので、声もきっと出ることでしょう(笑)。映画についてのお話もここからはたっぷりと聞かせてください。本作は、昨年の東京国際映画祭で観客賞、スペシャルメンションをW受賞されました。コンペンション部門でも最も観客から支持されて受賞されたとのことですが、そういうのを受けるとぐっと来たのではないでしょうか?

松居監督  そうですね。東京国際映画祭自体が4回目の参加で、それまで手ぶらで帰っていたので、形としてもらえるのはすごくうれしかったです。まず、全体の作品と並んで自分の作品を楽しんでもらえることもうれしかったですし、みんなに伝えた時にみんなもうれしそうだったのも、良かったなと思いました。

――映画祭でのお披露目からおよそ3カ月の時を経て、いよいよ2月11日(金・祝)より公開となりますが、今のお気持ちもぜひ聞かせてください。

松居監督  前作は直前で公開が延期になったので、まだ油断できないですね。こうやって名古屋に来て挨拶をして、無事に2月11日を迎えて、みんなに届けたいというソワソワとした気持ちと、届いたらどういうことを思うだろうというような気持ちになっています。コロナ禍から映画が始まるので、すっと物語が入ってくるかなと思いますが、そういう意味ではドキドキしています。

――コロナ禍から映画が始まる、ここも監督としてはポイントだったんでしょうか?

松居監督  そうですね。主題歌の「ナイトオンザプラネット」が緊急事態宣言の1回目でもある2年前の春に出来上がって、僕が楽曲を受け取って、その後に家にこもって悶々としながら書きました。昔のことを思い出しながら、昔があるから今があって、明日もまたやってくると、全部肯定したかった。昔は良くて今はだめとかそういうのじゃなくて、人と会えた時のうれしいは、昔よりうれしいとか、映画館に来られるのも昔より当たり前じゃなくてうれしいとか、そういう当たり前の感覚は見落としてはいけないと思ったので、そういう思いをこの映画で伝えられたらなと思います。

――温度感や言葉で全てを説明しているわけではないですが、みなさんも知っている感覚とか、映画の中にたくさんあるように思います。このあたりは脚本を書く上でどのぐらい想定して書かれていたのでしょうか?

松居監督  初めてのラブストーリーというのもありますが、自分がやるとしたら、見る時の自分の感覚を大切に、華やかすぎるとのけ者にされたような感覚があったり、できるだけ生っぽい感覚を大事にして、ドラマチックになったら地に足の着いた、自分たちの話に戻ってくるような、ドラマチックだけど、自分たちの話になるように意識していました。

――ロマンティックなセリフもたくさん出てきますよね。

松居監督  それは…でも言っちゃう感じありませんか?

――2人の世界の中だけで起こるものですもんね。ありますよね。

松居監督  ロマンティックなセリフを思わず言ってしまって、ジャジャーンってことではなく、え、何それ、って感じでロマンチストになってしまった自分を俯瞰してしまうようなところも僕は見たいなと思いました。

――あのシーンのあのセリフが…とか、ありますよね!その脚本を受け取って、あの温度感と間合いで演じるというのも、信頼して全てみなさんに渡していたのでしょうか。

松居監督  そうですね。現場で主役の2人をはじめ、役者さんもそうですし、スタッフさんもこの2人の過ごす部屋はどういう生活をしているなどの打ち合わせもしていたので、きっと2人の芝居の空気感であり、見えている美術、切り取るカメラアングルと、そこに入れている照明と、なんなら天気の具合とか、風の具合とかも含めて空気感を切り取る意識をしていたので、2人の話ではあるんですけど、とある1日が遡っていくというところではこの1日が主人公だったらいいなと思って、その日に出会った人も魅力的であってほしいです。

――照生と葉との距離感は、実際に撮影されている時に近づいていったのでしょうか?

松居監督  わりと観ていただく順番に撮っていったので、やりながら空気感も生まれていったし、池松さんと伊藤さんそれぞれが、特に池松くんとは何気ない時間や、さり気ない感覚を重ねていって、この作品の意味を見出してくれました。池松くんの言葉を借りると密度を上げていると言っていましたね。

――キュンキュンするシーンも閉じ込められている作品だと思っています。松居監督がここは楽しみにしてほしいというシーンはどこでしょうか?

松居監督  僕は、池松壮亮さんと伊藤沙莉さんってすごく真逆の2人だと思っていて、照生と葉自身もそうなんですけど、やっぱり伊藤さんは、はっきりしていてサバサバしている、池松くんは思慮深い雰囲気を持っていて、普段生活していたらきっと出会わないタイプと言いますか。グループがきっと違うだろうなと思う2人だからこそ、とあるきっかけで出会ってかけがえのない時間を過ごすってなった時に、どういうふうにこの2人が出会ったのかがすごいポイントで、僕はこの2人が出会う瞬間がすごい好きで、いいなと思っているので、そこは見てほしいなと思います。

――観終わった後に、話したくなる映画でもありますよね。

松居監督  そうですね。答え合わせと言いますか、ここが良かったとか、ここはどっちの感情だったとか、どっちが正義でも悪でもないですが、そこも話してほしいですね。

池松壮亮さんと伊藤沙莉さんが作り上げる2人だからこその雰囲気や、松居監督がこだわった2人の出会い、そして、最後にクリープハイプの曲「ナイトオンザプラネット」がすっと入ってくるラスト、2人が過ごす部屋に貼られた『ナイト・オン・ザ・プラネット』のポスターなど、細かい部分まで丁寧に描かれた見どころが満載の作品となっています。何気ない毎日が当たり前ではなくなったいまだからこそ観てほしい1作。ぜひ劇場へ足を運んでみてください。

映画『ちょっと思い出しただけ』

監督・脚本
松居大悟
出演
池松壮亮、伊藤沙莉、河合優実、大関れいか、屋敷裕政(ニューヨーク)、尾崎世界観、渋川清彦、松浦祐也、篠原篤、安斉かれん、郭智博、広瀬斗史輝、山﨑将平、細井鼓太、成田凌、市川実和子、高岡早紀、神野三鈴、菅田俊、鈴木慶一、國村隼、永瀬正敏 他
主題歌
クリープハイプ「ナイトオンザプラネット」(ユニバーサル シグマ)
公式サイト
https://choiomo.com/
©2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会


※掲載内容は2022年2月時点の情報です。
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【2/11より公開中】映画『ちょっと思い出しただけ』松居大悟監督と主演の池松壮亮さんにインタビュー!

WRITER

Mai Shimomura

Mai Shimomura

岐阜県出身。スタジオやブライダルでの 撮影経験を6年経て、編集者へ転身。 カメラと映画が好きなミーハー女子。 素敵な出会いを写真に記録しながら、 みんなの心に届くモノを発信したい。

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