2021.3.6sat
愛知・春日井に「コーヒーポライト(COFFEE POLITE)」がオープン。コーヒーの相談もできる「ポライト定期便」も
2021年2月12日、春日井市神明町に「COFFEE POLITE(コーヒーポライト)」がオープン。焙煎からコーヒーの提供、コーヒー豆の販売まで、幅広くコーヒーのあるひと時を提案する同店では、コーヒーを使ったアレンジドリンクやパン・スイーツもそろっています。
愛知・春日井に「COFFEE POLITE(コーヒーポライト)」がオープン。コーヒー好きも苦手な方も楽しめるドリンクやパン、スイーツも
春日井・勝川の「COFFEE POLITE(コーヒーポライト)」
「COFFEE POLITE(コーヒーポライト)」は春日井市神明町にあるカフェ。大治町で生まれ育ったマスターの杉澤さんが、2021年2月12日にオープンしたお店です。
お店、と言っても見た目は平屋の民家。外まで漂うコーヒーの香りを嗅ぎつけながら引き戸を開けると、ちょうどコーヒー豆を焙煎している杉澤さんの姿が見えました。
そんな杉澤さん、実は元々コーヒーが苦手だったのだとか。いったいなぜ、コーヒーが苦手だった杉澤さんが、カフェを始めたのか、オープンまでの経緯や店のこだわり、大切にしていることについて伺いました。
コーヒーが苦⼿だった。それでもカフェをやりたかった理由
元々は、メディアの技術職に勤めていた杉澤さん。「家族や友人、地域の人が集まるコミュニティの場をつくりたい」という思いから、カフェ開業を目指します。
杉澤さん 将来的にカフェや喫茶店を開きたいと漠然とした夢はありましたが、カフェを作るのに何からしたらよいのかもわからなくて。とりあえずカフェで働いてみようと決意し、カフェ店員になりました。
カフェで働いて感じたのは、数あるメニューの中でもコーヒーが特に多く注文されること。すごく当たり前のように聞こえると思いますが、コーヒーが苦手だった僕は、こんなにコーヒーが注文されることを知らなかったんです。
ーーそうだったのですね。でもそこからコーヒーの道へと進んだ理由は何でしょうか?
杉澤さん 将来自分のお店を持つ際に、お客さんからの需要もあるコーヒーが店には必要。でも取り扱う以上、コーヒーの種類や特徴を伝えられた方がいい。そう思って、コーヒー飲めるようになろう!と決心しました。
ーー苦手なコーヒーを飲み続けるってかなり大変ですよね……?
杉澤さん そうですね、結構しんどかったです(笑)。当時は喫茶店に行って無理してでも飲み歩いては、店にあるカフェやコーヒーの本を見て勉強していました。
焙煎の仕組みを知り、コーヒーの世界に没頭
その後、喫茶店やコーヒー屋に通い詰めて、徐々にコーヒーのおいしさに気づき始めた杉澤さん。もっとコーヒーのことを知りたい気持ちや、コーヒー屋で働きたい思いが高まり、岐阜にあるスペシャルティコーヒー専門店で修業へ。働き始めてすぐに、焙煎人が変わるタイミングが重なって、焙煎人を引き継ぐ立場になりました。
杉澤さん オーナーの下で焙煎の仕組みや味づくりを体で学んだことが、今に繋がっています。そのおかげで、世界トップのバリスタも育成しているコーヒー専門店でも働きたいと思い、どんどんコーヒーの世界にのめり込んでいきました。
修業後、地元である愛知県大治町へ戻った杉澤さんは、ずっと通っている美容室の軒先でコーヒー屋を始めます。そこからイベントでの出店も増えて、移動販売を2年続けました。
ーー移動販売の時から、実店舗を構えようと思っていたのでしょうか?
杉澤さん そうですね、30歳になる前までに店を持り、その店は今みたいに平屋でやるのが夢でした。でも最終的には、自分で平屋を建ててみたいですね。
2019年12月には大治町から春日井市に移り、委託作家さんの商品が並ぶ店内の中で、コーヒーを提供することに。その約1年後、勝川で実店舗をオープンしました。
ーーこのお店のオープンまで、様々なやり方でコーヒーや豆を提供してきた杉澤さんが、特に苦労したことは何でしょうか?
杉澤さん 課題だったことは、やりたいことを続けていく仕組みづくりでした。おいしいものをつくって、おいしいものを届ける、丁寧に接客するだけでは、お店を続けるのが難しい。
でも、お客さんにはおいしいコーヒーを飲んで、ゆっくり過ごしてほしいですし、人との時間を大事にしてほしいという思いが根底にあって。店のこととお客さんのこと、両方が成り立つ仕組みをつくっていけるように努めています。
コーヒー好きさんも苦手な方も楽しめるメニュー
「COFFEE POLITE」では、オリジナルブレンドや季節のコーヒー、シングルオリジンが約9種類そろっています。オリジナルブレンドの「日々ブレンド」は爽やかな香りとすっきりした甘みのある白と、豊かな香りでしっかりとした甘みと深みのある黒の2種類。
またシングルオリジンは、店にあるコーヒー豆から好きな種類を選べる楽しさも。もし種類に悩んでも、杉澤さんが自分の気分や好みに合わせて紹介してくれます。コーヒー豆を自宅用やギフト用に買うのも◎。
コーヒーを使ったアレンジドリンクや、コーヒーが苦手な方でも楽しめるドリンクも用意。中でも自家製レモンシロップを入れた「檸檬珈琲」(税込600円)は、イベントで大人気だったメニューだとか。
杉澤さん 自分自身がコーヒーが飲めなかった人間だったこともあり、苦手な方でも飲めるドリンクをつくってあげたくて、自家製レモネードを作りました。ある時、そのシロップをコーヒーに入れてみたらどうだろう?と思いつきで作ったのが「檸檬珈琲」。思った以上にお客さんからの反響があって、今では人気メニューのひとつです。
また、日によってパンやスイーツの販売もあり、大治町にある「UZOU BREAD&COFFEE」の食パンや、実店舗を持たない菓子屋「gâteau glacé」の焼き菓子なども購入できます。
もちろん、店内でのイートインもOK。杉澤さんがこだわった家具や雑貨、植物に囲まれながら、和室でコーヒーを味わうひと時は格別です。
店内にはコーヒーにまつわる本や、小説、文庫本が置かれていて、読書もできます。
届けるべき人に丁寧に届ける。「贈る」サービスにこだわった定期便
様々な場所でコーヒーを販売し続けてきた杉澤さんのファンは多数。遠方に住むお客さんがコーヒーを楽しめるようにと始めた「ポライト定期便」では、⽉に1回コーヒー⾖が届くだけでなく、LINEで気軽にコーヒーの相談や雑談ができる他、限定コラムや3カ月ごとのお楽しみプレゼントもあります。
杉澤さん うちのお客さんは、人に会うことを大切にしていて、わざわざ大治のお客さんが勝川に来てくれることもあります。大切なお客さんが、直接会って話すことができない定期便でも満足してもらいたくて、時間指定でコーヒーを注文できたり、一人ひとりLINEのチャットで相談できる環境を作ったり、サプライズプレゼントを贈っています。
「今後は空間を貸してイベントをやったり、パンやお菓子だけでなく、文房具や雑貨なども販売したい」と語る杉澤さんは、コーヒーを通じて人と人が繋がるきっかけや空間づくりに向けて日々挑戦しています。
ぜひ「COFFEE POLITE」に足を運んでみてください。コーヒーが好きとか苦手とか関係なく、ほっと一息できて落ち着ける場所だから。