「心臓が止まるまでは」「太陽の花」の2曲は、中津川 THE SOLAR BUDOKANで披露されていましたが、ライブでの手応えがいかがでしたか?

山田さん  「心臓が止まるまでは」も、ライブをイメージして作った曲でしたね。THE BACK HORNの後半の方にやるアッパーなゾーンがあって、そこでやれる曲として「太陽の花」をやったんですけど、お客さんも初めて聴いたとは思えないような盛り上がりをしてくれましたね。


「デスティニー」と「果てなき冒険者」は、ストリングスが入っていますが、バンドが鳴らすロックな音と、ストリングスのシンフォニックな音がすごくマッチしているなと感じました。ストリングスが入るときに、バンドの音作りで意識していることはありますか?

菅波さん  「果てなき冒険者」は、元々将司が作ってきたデモに、鍵盤で弾いたストリングスが入ってたんですよ。その時点で鳴ってるイメージがあったので、ストリングスがなかったら成立しない曲になってるよね。

山田さん  ストリングスを入れようと思ったのは、長い音符の中のコードが欲しくて、アンサンブルとして入れたのがきっかけでした。ストリングスって、草木の生命だったり、人間のドロドロしたところも表現できたり、色んな使い方ができますよね。ライブでも、ストリングスと一緒にツアーを回ったことがあるんですけど、その時も「この曲に入れるのか⁉」っていう感情的な曲に入れて、傷のような音を出したりとか、エグいアプローチができましたね。

菅波さん  ストリングスって、風景が広がってくるよね。「デスティニー」の方は、ストリングスを後付けした曲なんですよ。これは入れたら面白いんじゃないかって。入れるのが後だからか、調和してる部分もあるけど、バンドの音とのせめぎ合いもあって、間奏はスリリングな感じがかっこよくて新鮮でしたね。

山田さん  間奏のストリングスのソロは、心情を表していて、大サビで景色になってくれて。

菅波さん  曲のもってる映像を具現化してくれるのが、ストリングスな気がしますね。個人差がなくなって、いろんな人にとっての景色が浮かびやすくなる。逆に、バンド4人の音だけで表現するのは、聴いている人の想像力を試すような感じですね。そうなると、浮かんでくる景色が人そたれぞれ違ってくるから、その面白みもありますよね。今回のアルバムは、そういったバランスが良かっなと思います。

アルバムをひっさげた全国ツアーも11月からスタートするということで、ライブの見どころや意気込みをお願いします。

山田さん  いいライブをしたいっていうのは、当たり前なんですけど、『カルペ・ディエム』の世界観を伝えることが、今のTHE BACK HORNのやることだと思います。

菅波さん  話がズレるかもしれないんですけど、ここ10年くらいで世の中変わってきたなって思うことがあって。「聴きたい音楽が世の中にないから、俺が作ります」っていうのがバンドの発端だと思うんですけど、その音楽が社会に対してどんな作用を及ぼすかまでを含めて、バンドの存在意義を問われる時代になってきていると思うんですよね。音楽がエンタメだけじゃなくて、文化の一つとして今も廃れずに在るというのは、「どんなメッセージを持って生きているのか」がバンドにも求められているなと感じるようになりましたね。

THE BACK HORNは、誰かが主導権を握るんじゃなくて、4人の個性を引き出すためにはどうしたらいいかをずっと考えていて。例えば、4人の伝えたいことに矛盾が生じても、それぞれの個性が出ることを取るっていうのが、俺らのスタイルというか。ライブも、将司がボーカルでセンターっていう感じはありますけど、4人全員が主役のつもりでやっているので、お互いを尊重してるけどしのぎを削ってて、そうやって存在していく生き方をライブや音源で表現していきたいなと思いますね。……俺いま、この20年で一番いい話しました(笑)

12th Album「カルペ・ディエム」
2019年10月23日(水)リリース

初回限定盤 A [CD+BD]VIZL-1615 / 6500円+税

初回限定盤 B [CD+DVD] VIZL-1616 / 5500円+税

通常盤[CD]VICL-65224 / 2800円+税

CD収録内容(全形態共通)
「心臓が止まるまでは」を含む新曲 全11曲
1.心臓が止まるまでは[作詞・作曲:菅波栄純]
2.金輪際[作詞・作曲:菅波栄純]
3.鎖[作詞・作曲:山田将司]
4.フューチャーワールド[作詞・作曲:岡峰光舟]
5.ソーダ水の泡沫[作詞:松田晋二 作曲:岡峰光舟]
6.ペトリコール[作詞・作曲:山田将司]
7.デスティニー[作詞・作曲:岡峰光舟]
8.太陽の花[作詞:松田晋二 作曲:菅波栄純]
9.I believe[作詞・作曲:菅波栄純]
10. 果てなき冒険者[作詞:松田晋二 作曲:山田将司]
11.アンコールを君と[作詞:松田晋二 作曲:菅波栄純・岡峰光舟]

特典Blu-ray / DVD収録内容
初回限定盤A特典Blu-ray / 初回限定盤B特典DVD 共通

20th Anniversary
「ALL TIME BESTワンマンツアー」~KYO-MEI祭り~
ファイナル 日本武道館公演 2019.2.8

1.オープニング –年輪の呼吸-
(Live SE「ALL TIME BESTワンマンツアー」~KYO-MEI祭り~ ファイナル)
2.その先へ
3.ブラックホールバースデイ
4.サニー
5.罠
6.ジョーカー
7.ひとり言
8.悪人
9.雷電
10.コワレモノ
11.初めての呼吸で
12.ヘッドフォンチルドレン
13.美しい名前
14.未来
15.Running Away
16.グローリア
17.シンフォニア
18.コバルトブルー
19.刃
ENCORE
20.冬のミルク
21.ハナレバナレ
22.無限の荒野
MUSIC VIDEO
1.心臓が止まるまでは
2.太陽の花

初回限定盤Aのみ
・武道館ライブバックステージドキュメンタリー、20周年インタビュー
・ライブ演出映像
1.悪人
2.雷電

THE BACK HORN「Running Away」


『カルペ・ディエム』特典映像トレーラー

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THE BACK HORN、12thアルバム『カルペ・ディエム』をリリース!山田将司さん(Vo)・菅波栄純さん(Gt)インタビュー

WRITER

Wakana Yamauchi

Wakana Yamauchi

兵庫県出身。京都の大学を卒業後、 編集者になるために名古屋へ。ゲーム、猫、ファッション、写真が好き。自宅をリノベーションして以来、インテリアにハマっている。

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